ミリタリーやユーロ・フレンチワークなどの 無骨でオトコの堅実な仕事着に宿る 実用の美をモードとして解釈し、 意匠としたのがY's for menだとしたら、 こちらわ、 その対極と云ふことに成り魔性か。 ヨウジヤマモトのfemmeと並び、 最大の美学と技術を持ち寄って創られるPOUR HOMMEの1枚。 これ以上わ薄くすると服として保たない、 限界まで削った極薄のコットン生地。 そこに、ストールをドッキングし、 肩から脇、裾までを麻素材で透かし編みにした 黒とベージュのバイカラーデザイン。 特徴的なボタンまでアルチザンな雰囲気がタマラナイ1枚です。 サイズ：3 肩46cm 袖67cm 身幅59cm 着丈 前88cm後ろ80cm ※クリーニング済み 個人的に、 袴期と比肩するくらい感動した19SSの作品。 プロパーで¥120,000程のお品。 コレクション外の物ですが、 この繊細な服を作るのが如何に大変で難しいか、素材と価格を見ると分かるような気がイタしマス。 前年の18AWでわ、 耀司 先生の母堂に捧げた、死と喪服をテーマにコレクションを展開。 その段階で出たアイディアだったのか、 麻素材の編みや、焼き付けたようなボタンわ、どこか暗闇に浮かびあがる「骨」を思わせマス。 首に引っ掛けるようなストールや、 ドロップショルダーの袖や裾の断ち切りの処理など全体的にダラーんと落ちた印象。 随所から、その脆く不安定な「肉体」を覗かせるために体に添って造られた網目わ、 「肉体」を漆黒の中に浮かび上がらせる様で、 この作品の華奢さわ、おそらくそのイメージの反映と云ふ事で賞。 あのリビドーの躍動を感じる19ssにわ、 そりゃぁ入らんだろなっと納得。 デカダンでメメント・モリを感じるヨウジのドス「黒い」1枚です。 気に入って良くシャツの上から羽織ってました。 大切に扱っていたので、 生地にそこまでダメージわないかと思いマスが、やや毛玉がありマス。 近年、その派手さばかりに目がイキガチですが、 毎年、こう言った職人的で、とても作るのが難しい服を密かに出してるのがヨウジですね。 身頃の淵に使った、ヘリンボーン生地のパイピングなぞ正しくその証左デスが… 端の処理に「ニシンの骨」を使うとわ、 ユーモアのセンスも一級品です。